ANA 社員の副業を大幅に認める

全日本空輸ANA)が社員の副業を大幅に認める方針を固めました。

このニュースを聞いて、皆さん、どう思われたでしょうか。今後、ANAのように社員の副業を認める方向に舵を切る会社がどんどん増えてくるのでしょうか。

経営者側の立場から考えてみれば、他社に先んじて副業を認める判断を行うのはなかなか難しいのではいでしょうか。なぜなら、社員には専業でいていただいたほうが、社員の忠誠心も高まり、提供を受ける労働品質を高く維持できるという歴史があったからです。よって、社会全体として副業が認められていく方向に進んでいくには、労働市場における競合他社との兼ね合いが必要で、業界内に先陣を切って副業を認める会社が現れない限り、どうしても時間がかかると思われます。

そもそも、戦後長らくの間、大会社は終身雇用に特徴を持つ雇用形態を維持していたこともあり、宗教とまではいわないが、社員にとってはある意味、会社そのものが心のよりどころとなっていた歴史があります。しかし日本の世界での位置づけが、追いつく立場から追いつかれ、追い抜かれる立場に変わるのと時を同じくして、多くの会社でその伝統的雇用形態が維持できなくなりつつあります。そのような状況の中、一般のサラリーマンであれば、もちろん所属する会社がその伝統的雇用形態を維持できるべく、会社に忠誠を誓い、会社のコマとして鋭意努力するのではありましょう。がしかし、ただ一個人のリスク管理的観点からは、何かしらの手を打たなければならない状況に陥ることも予想しておかねばならないところまで来ているような気がします。いざというときのために準備はしておいたほうがよさそうですね。