そもそも副業とは

そもそも副業って何なのでしょうか。

もちろん”業”、すなわち生活の手だてである仕事であることには異論はないでしょう。しかし、その”業”のうちのどのようなものが副業になるのでしょうか。

副業という言葉には、とくに法律的に厳格な定義とかがあるわけではなく、その言葉”副業”を使う人の、それぞれの仕事に対する見方で決まってくる言葉だと思います。すなわち、生活の中心をささえる仕事が”本業”であり、それ以外の仕事を”副業”と呼ぶことになるのです。

副業に似た言葉に、兼業、という言葉があります。

兼業の場合には本業との間に主従をつけない意味をもたせることも可能なのですが、副業の場合には、本業との間に厳然たる主従の関係が存在します。

このことが何を意味するかというと、いわずもがな、本業あっての副業だ、ということです。そして、一人の人間が2つの仕事をやるわけですから、その仕事間にはいい意味でも悪い意味でも相互作用が生じます。プラスのシナジーだけを生み出せればいいのですが、一人の人間の限られたリソースを2つの仕事間で配分するわけですから、一方の仕事だけをやっている場合と比較すれば、それぞれの仕事の生産効率は下がっているとみるのが一般的でしょう。つまり、本業だけをみると、副業なんてしないほうがいい、という結論がでることになります。とくに、社会全体からみると、この結論が支持されることになります。選択と集中です。

しかし、ことはそう簡単ではありません。労働市場流動性が担保されていない硬直した社会では、個人からみると、副業の存在意義がクローズアップされます。なぜなら、現代の日本人の大多数を占める副業をもたないサラリーマンが、本業である所属先を失う可能性を考えなければならない時代に突入しているからであり、また所属先を失うことはないにしても、収入が先細りするリスクは年々高まりつつあるからです。

よって、現代社会に生きるサラリーマンにとっては、本業である会社勤めを維持しつつ、副業を、本業に負の影響を与えることを極力おさえつつ行う、というのが、もっともらしい選択肢になってくるかと思います。