JAL、グランドスタッフの接遇講座

JALスカイ札幌は、接客業務のノウハウを活かし、接遇やおもてなしをテーマにオンライン講座の提供を始めました。「接遇ビジネスマナー講座」、「第一印象UP講座」、「高校生向け面接講座」などマンツーマンの講座で、価格は1,500円のようです。

ところで、この商材は、内容を拝見したところ、どの講師が提供したところで、内容も価格も統一されているものと考えられます。

しかし、この「講座」という商材を冷静に考えてみると、JALが本業とする、顧客を目的地まで安全に運ぶという旅客輸送業務、すなわちある程度コモディティー化されたサービス、とは基本的に性質の異なるものであることに気づきます。接遇やおもてなしを教えるということは、コモディティー化されていない高付加価値のあるサービスのはずで、内容や価格が統一されたものではないはずです。講師や講座の魅力のありなしで、価格に自由度があるはずの商材です。

ただ、現実にJALスカイ札幌という旅客輸送を本業とする会社がこの「講座」という商材で教科書通りの自由度のあるマーケティングをやるには、テレビ局における女子アナ的な存在を社内に認める社風が必要となり、現状では社内の軋轢による本業への支障も出てきかねないことから、このような「講座」を高付加価値のある商材としてで社内から売るやりかたは難しいに違いありません。事業自体は成功するとしても、です。テレビ局でさえ難しいかもしれません。

では別に、従業員が会社外で会社の名前を利用して活動するのはどうでしょうか。

先日、ANAが副業を認めることについて、話題にさせていただきました。そして、例えば、仮に全日空のCAさんが、副業時に、現役全日空CAであることを売りにすることが許されるのであれば、少なくないかたが成功するのではないかと思います。世の中に出回っているコンテンツの中に元CAによる~、などの冠がついたものも目に付きます。現役CAであれば元CA以上にブランドとしての価値があるはずです。

しかし、会社がブランドを守るためには、社外で社員が自社従業員であることを売りにして商売することには様々な問題が付きまといます。会社がこれを公に認めるのはなかなか難しいのではないかと察します。

従って、例えば、現役全日空CAによる~といった講座で、講師や内容や価格に自由度のあるサービス、というものは会社提供であれ、従業員の副業としてのものであれ、なかなかお目にかかることが難しい、ということになります。そんな講座、受けてみたいと思われるかたもたくさんいらっしゃるとは思いますが、、、